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社会生物学と霊長類学

1975年に昆虫学者エドワード・ウィルソンは、道徳が倫理学者と社会科学者だけの物ではなくて、自然科学者、特に生物学者もその議論に加わるべきだと主張した。それ以来多くの社会生物学者と霊長類学者が道徳の起源と進化について論じてきた。1990年代には生物学者から二つの大きな著作が発表された。一つは霊長類学者フランス・ドゥ・ヴァールの『気立ての良さ(邦題:利己的なサル、他人を思いやるサル)』で、ドゥ・ヴァールは霊長類に(道徳があるとは主張しなかったが)共感と愛情、社会秩序、互恵関係、コミュニティ、紛争と和解の概念が存在し、ヒトの道徳の基盤と共通であると述べた。公平さの感覚はイヌ[17]など他の社会性動物でも発見されている。
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1990年代のもう一つの大きな著作は神経科学者アントニオ・ダマシオの『デカルトの誤り(邦題:生存する脳)』で、神経学者が道徳の議論に参加する先駆けとなった。ダマシオと同僚は前頭葉の前部と中部を損傷した患者が、19世紀のフィネアス・ゲイジと同じように、感情を用いた意思決定が困難になると指摘した。そのような患者は現実的な判断能力を大きく損なっているにもかかわらず、理論的な社会知識を保持している。神経倫理学者ジョシュア・グリーンはトロッコ問題を解明するために従来の倫理学の論理の代わりに、fMRIを利用した。グリーンによれば、人を突き落とす際には否定的な反応が起きるが、その際にfMRIでは腹内側前頭皮質が強く反応する。同時に功利主義的な判断には前頭前野背外側部が関わっていそうである。そして理性と道徳的直観が衝突するとき、前頭前野背外側部と前帯状皮質の反応が見つかる。そして前頭側頭型認知症の人は迷わずに功利主義的な判断を行う

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2009年06月08日 08:30に投稿されたエントリーのページです。

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